製品開発秘話 product story

長ネギ調整機開発ストーリー

1953年、農機具の製造で
事業をスタートしたマツモト。
より役に立つ農機具を開発・製造するために
何より農家さんの声に耳を澄まし、

こんな機械がほしい

という想いにピンポイントで応える
製品開発を行なっています。
主力である「長ネギ調製機」も、
そうした長ネギ農家さんたちの要望から
生まれ育った製品です。

1981元祖長ネギ皮むき機「むきむき」誕生

元祖長ネギ皮むき機「むきむき」の画像

長ネギは収穫後、出荷するために3~4枚の皮をむく作業が必要です。これは大変な手間で「機械で皮むきができないか」という声を、マツモトの営業が聞くことになります。

営業が持ち帰ったこの声に対してマツモトの開発者たちは、さっそく機械の開発をスタートしました。

ポイントは「どうやって」むくのか・・・。

それまで、長ネギの皮むきは手持ちのエアーガンを利用する方法や、勢い良く水を吹き付ける方法などが採られていましたが、衛生面や作業性の面で課題がありました。これに対しマツモトの技術陣は、空気の噴出ノズルを固定し「作業者の両手を自由」にし、さらに、ノズル数を増やすことで「瞬時」に皮むきを完了する、新たな機構を開発。こうして元祖長ネギ皮むき機"むきむき"は誕生しました。

"むきむき"は親しみやすいネーミングも功を奏して、多くの農家さんに購入していただくことができました。

ここに注目当社の製品はすべて鉄、アルミといった素材から熟練の技術者たちによって手作りされています。

1993長ネギ根葉きり機「きり子」誕生

長ネギ根葉きり機「きり子」の画像

ひとつの成功が長ネギ根葉切り機の誕生へー。

"むきむき"の登場で、機械化のメリットを実感された農家さんから、さっそくの新しい要望があがります。「皮が自動で剥けるのだから、根と葉も自動で切り落とせないのか」長ネギ出荷には、皮むきだけでなく根と葉の上の部分を切り落とす作業が必要なのです。
もちろん、この開発もひと筋縄ではいきませんでした。長ネギは、太さによって切り落とす根の深さや葉の長さがまちまちだったのです。
しかしこの難題は、ひょんなことから解決を向かえます。

その当時、足の怪我で入院していた社長、松本は病院のベッドの上で、レーザー技術がいろいろな分野に取り入れられていることを知ります。

「・・・問題が解決できるかもしれない」

直感が松本の脳裏を走り、すぐに技術陣にレーザー技術の活用を指示。レーザーにより、ネギの根元の切断位置が的確に調整でき、全国の出荷規格に適した根と葉の切り落としが自動でできる"きり子"の誕生となります。1993年のことでした。

ここに注目工場には、金属の穴あけ、曲げ、型抜き、溶接、塗装に至るまで、あらゆる加工機が設備されています。

1996半自長ネギ調製機 「ベストロボ」発進

その誕生は宿命だったー。

農家さんの声をもとに"むきむき"と"きり子"の開発に成功したマツモト。当然の流れとして、この二つの作業を1台に集約するという開発プロジェクトが発足します。これが完成すれば大幅な省スペース化と作業の効率化が可能です。

1996年、宿命のごとく生まれた、長ネギ専用の半自動機"ベストロボ"は、農家さんから圧倒的な支持を受け大ヒット製品になりました。今尚人気は衰えておりません。

2002全自動長ネギ調製ロボット 「完全自動化」実現

その誕生は宿命だったー。

2002年。常によりよい機械を追求するマツモトでは、独立行政法人「生研センター」の「農業機械等緊急開発事業」の一環として、一連の作業を完全に自動化した究極とも言える機械の開発に着手。これまでの長ネギ調製技術と知識を総動員することで、長ネギをコンベヤ上に供給するだけで調製作業ができる「全自動長ネギ調製機」を開発することとなります。

この技術が群馬県1社1技術を受けることとなり、その中でも名誉ある「中川威雄賞」を受賞することとなります。

※現在は販売しておりません。

ここに注目丈夫で長く使っていただける製品を作るため、社外製部品についても性能、耐久性共に当社基準を十分に満たすものを厳選採用しています。

現在時代に関係なく農家さんと共に歩む「開発精神」は不変

より効率的で使いやすい農家さんの役に立つ機械の開発に終わりはありません。全国の農家さんに、使いやすくて壊れにくい機械を提供するためには、地域性に合わせることも必要です。関東圏で故障なく使うことができた機械でも、気温が低くなる北海道や東北ではどうか、逆に気温の高い四国や九州ではどうか、実際にその地で使ってみなければわかりません。当社が農家さんの声を何より大切にしているのもそのためです。

当社の製品開発は、すべてが農家さんとの共同開発といっても過言ではありません。農家さんの要望をもとに試作品を開発し、使っていただいた農家さんの声をもとに改良を重ね、日々完成度を高めていてくのです。

時代がどう変わっても
農家の皆さんと共に歩む
マツモトの開発精神は
変わりません。